トイレの個室

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ウルフウォーカーを見て

いまは時間があまりないので、メモとして『ウルフウォーカー』の感想を書き殴る。(気が向いたら後で手を加えるかも)(ネタバレ有)

 

 

まず、傑作であることは間違いない。アニメーションの技術も物語の構造も、さすがカートゥーンサルーンで高クオリティ。終盤はずっと泣きそうになりながら見ていた。

 

ざっくり言ってしまえば、アイルランド版のもののけ姫だった。自然とそれを侵略する人間の対立が主題。『ソングオブザシー』の時も思ったが、サルーンは物語の要素をデザインに落とし込むのがめっちゃ上手くて、今回も対立的なデザインが各所で見られた。

以下それらを列挙。

 

・人間とウルフウォーカーのキャラデザ:前者は四角く直線的に、後者は丸く曲線的に

・家族構成:人間は父と娘、ウルフウォーカーは母と娘

・住んでる場所:(上2つに合わせて)町は直線的でロビンの家は父と娘のスペースが階層的に分かれている、森は曲線的でオオカミの巣は同心円状(娘は母の中で寝る!)

・光と色彩:人間は赤い炎、ウルフウォーカーは青い月(イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿とスコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿を思わせる)

 

話は飛ぶけど、炎の作画クソ良いよな。今まで見たアニメの中でも最高クラスですわ。

 

画で見る対立はこんな感じか。あとキャラの役割の対立として:人間は傷つけ、ウルフウォーカーは癒す(ウルフウォーカーが傷つけるときは仲間になる)

(※この話は前読んだ『昔話と日本人の心』に詳しく書いてあるので、後でそれを解説するかも)

 

 

対立の物語は大体ハーフの存在がいるんだけど、この話ではウルフウォーカーがそれかな。もっと言えば噛まれた後のグッドフェロー親子か。

この物語は自然界と人間界の対立を人間が自然側に同化することで解決した。いや、侵略の問題を根本的に解決はしてないか。でもまあラストの画面は分かりやすく同化を示していて、ウルフウォーカーになった4人が狼に囲まれひとつになる。

異なる存在の同化、ということで太陰太極図の構図が作中で何度か出てくる。ラストもそうだし、狼少女化したロビンとメーヴが森で戯れるときとか、母の傷を癒すときのロビンとメーヴとか。印象的だったのは、グッドフェロー親子の顔に横から光が当たって顔を二分するように影が落ちるシーンが何度もあった。そういうの大好きだから、見る度に興奮したよね。

 

 

アイスランドもののけ姫って言ったけど、約束が大きく意味を持つところや父親が秩序を重んじ過ぎるところが西欧的だなあ、と思った。

 

 

全体的にはもののけ姫だけど、森の中のシーンはトトロっぽかったね。あとディズニーのオマージュもいっぱいあった。

オオカミのアニメーションは普通にライオンキングだし、ロビンとメーヴの2匹が森で遊ぶところは完全にcan you feel the love tonight。(ライオンキングのあのシークエンスはディズニー史上最高のラブシーンだと思ってる)

終盤の森でのオオカミvs人間はライオンキングのハイエナ軍vsライオンみたいだった。それと美女と野獣の村人が城に攻め込むやつ的でもあった。

オオカミの棲家に繋がる道を蔦が覆い隠すとことか森のデザインはラプンツェルも思い出す。

 

 

 

最後に、作品とは関係ないけど、アップルのビデオロゴ初めて見たわ。あんなのあるんだね。てか、アップル映画にも手だしてんだね。